Reduction
ランタノイドは原子番号57のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までの原子の総称です。 ランタノイドの電子配置は、原子番号が増えるにつれて4f軌道に電子が入っていくことになりますが、最外殻電子である5d軌道と6s軌道の電子数が変わらないことが多…
アジド基は窒素原子が3つ連なった化学構造を持っていて、この3つの窒素原子のうち、真ん中の窒素がプラス、両端の窒素原子がマイナスに分極した官能基です。 高い求核力を有するアジドの性質のため、様々な機能性分子へのアジド基導入が簡単な一方で、特定…
有機合成において、1つの原料から2つ以上の分子が創製できれば、機能性分子の性質改変や構造活性相関研究に役立ち、物質供給の多様性を広げてくれます。 たくさんの水酸基を有する天然有機物であるポリオール化合物の中には、ポリケチドのように生合成に由…
隣接官能基を利用した有機反応は、原料に内在する官能基を足掛かりにして他の部分の官能基を狙い通りに反応させる、おしゃれな分子変換です。 最近では、アミドなどのカルボニル化合物を配向性官能基として利用したC-H結合の官能基化が発展し、もはや何でも…
天然からは、長い炭素鎖上に一つ置きに2級水酸基が多数置換した天然物が単離されることがあります。 ポリケチドと呼ばれるこれらの有機分子は、その生合成においてアセチルCoAという生合成単位が、次々と連結反応を起こして形成されています。 連結直後はケ…
分子の二量化反応は、一種類の化合物2分子が合体することによって、1つの新しい分子を形成する反応です。 シクロベンタジエンは有機合成でよく使われる合成素子ですが、単量体はそこまで安定ではなく、Diels-Alder反応が進行したダイマー(二量体)として…
有機反応において通常の水素原子の移動は、プロトン(H+)としてある化学種から別の官能基へ移ることを指します。 例えば、酸触媒を用いたケトンのケタール形成では、酸素原子上をプロトンがうまく移動することによって、カルボニル基へのアルコールの付加と…
カルボニル化合物の還元反応には、水素化ホウ素化合物や水素化アルミニウム化合物に代表される金属ヒドリド錯体を使用するのが一般的です。 水素化ホウ素ナトリウムを初めとする、これら金属ヒドリド還元剤は取り扱い安さや試薬の当量コントロールの容易さな…
炭素の酸化度を低くする反応は還元反応と呼ばれますが、一般的には水素化を伴うことが多いですね。 アルデヒドやケトンなどのカルボニル化合物が還元されると、C=O二重結合の炭素に水素がついていくわけです。 カルボニル基に限らず、酸素や窒素などのヘテロ…
カルボニル化合物の中でもケトンの還元反応では、ケトン周りの環境によってヒドリドが接近してくる面により生成物が異なることがあります。 例えば、コンホメーションが制限されているシクロヘキサノンなどの還元では、生成物であるアルコールがアキシャル配…
Barton-McCombie deoxygenation / バートン-マクコンビー脱酸素化 基本的な官能基のひとつであるアルコール(水酸基)は、極性官能基として非常に重要であり、多くの有機反応や分子認識の足掛かりとなります。 しかしながらワガママな化学者は、時々このアル…
アート錯体であるLiAlH4やNaBH4は、アルデヒドやケトンを中心とするカルボニル化合物の還元反応に多用される有用な還元剤です。 一方で、二段階の還元を受けうるカルボン酸誘導体の場合、アート錯体型試薬を用いた還元では途中の段階で反応を制御することは…
カルボニル化合物の還元反応は、合成有機化学の中でも基礎的な反応のひとつです。 一般的に還元剤に対するカルボニル化合物の反応性は、酸塩化物>アルデヒド>ケトン>エステル>アミド>カルボン酸の順番で低くなっていきます。 つまり、ケトン存在下でア…
数ある還元剤の中でも、ホウ素原子もしくはアルミニウム原子の水素化イオン性無機塩であるアート錯体は、比較的安定な試薬として、カルボニル化合物の代表的還元剤です。 中心元素の種類や置換基の種類、大きさによって反応性が異なり、各カルボニル化合物に…
芳香族化合物は、医薬品や有機EL、化学工業製品など、多様な機能分子に含まれており、私たちの生活になくてはならない存在になっています。 特に炭素のみで構成され、最も基本的な芳香族化合物であるベンゼン環は、構造解明に至る歴史物語や構造的な美しさか…
カルボニル化合物の還元反応は、有機反応の中でも最も基本的な化学反応の一つです。 膨大な数の還元反応が開発されていますが、今回はアルデヒドやケトンの還元でFirst Choiceとしてよく使用される、水素化ホウ素ナトリウム(sodium borohydride: NaBH4)を…